28.すっとこどっこい

【おやすみ前の攻防戦】




「・・・ちょっとカカシ先生、アンタ何してんですか」


「何って。イルカ先生のパンツを脱がせようとしてますけど?」


「いや、具体的にはいいですから。何でこんな夜更けに、寝てるオレのパンツをわざわざ脱がせようとしてんですか」


「え、そりゃあまあ、色々とね?」


「・・・その理由を10文字以内で端的に述べよ。但し、理由如何によっては足蹴の場合有。制限時間10秒」


「ええっ、ナニソレ!」



「じゅーう、きゅーう・・・」


「うわ、もうカウントしてるし!ええと、ええと、あっ、『オトコのロマンだから』!ホラぴったり10文字ですよ・・・ってなんで蹴るんですか?!痛いです、本気で痛いってばイルカ先生っ!ちゃんと理由言ったのにヒドイ―――!!」


「最初から、理由如何によっては、つったでしょ」


「だってそれ以外に理由が要りますか?夜這いですよ!寝てるトコをイタダキマス☆ですよ!!起きてびっくりイヤンアハンですよっ!!!・・・って、なんでそんな害虫でも見るような目でオレを見るんデスカ?!」


「オレ、酒呑んでるからどうせ勃ちませんよ」


「っ、そんな生々しいこと言っちゃヤですっ!オレってば、好きな人に夢を見たいお年頃なのにっっ!!イルカ先生のいじわる!不感症!!オレの気持ちも少しは考えてください!!!」


「アンタの気持ちなんて知りませんって・・・。もういいから、アンタも寝たらどうですか。明日は朝から任務でしょ」


「つめた・・・っ!それは今現在こうして頑張ってる恋人に対してつめたすぎやしませんかイルカ先生・・・?!」


「いや、至って普通だと思いますけど」


「うう、ひどい!イルカ先生の冷血動物!!イルカ先生の血は雪と氷で出来てるんだっ!!!」


「はいはい、嘘泣きはいいからとっとと寝てくださいよ」


「ちぇっ、これだもんなァ・・・。ならせめて、おやすみのちゅーぐらいしてくださいよ。そしたら寝ます」


「は?」


「おやすみのちゅーですよ、ちゅー。オレはイルカ先生からちゅーしてもらうまでは絶対寝ませーん」


「ったく、餓鬼かよ」


「何か言いました?」


「いいや、何にも。ホラ、大人しくしててくださいよ」


「―――って、なにゆえオデコ?!オデコにちゅーなんて、そんな子供だましなのはちゅーの内に入りませんよ!オレたち恋人同士なんですから、ぶちゅーっと濃厚なのを唇にホラ!」


「・・・さっきから妥協してやってんのに調子のんなよ、あァ?」


「わあ、せんせい、顔がなんかチンピラみた・・・」


「何か言ったかコラ?文句があるならはっきり言えや、このすっとこどっこいがァ!」


「いえっ、何にも!何にも言ってないですっ!!すいませんでしたァァァ!!!」


「あっそう。なら、おやすみなさいカカシ先生」


「・・・おやすみなさい(うわあ、笑顔がちょう怖ぇ!)」









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