kaiさまより

甘えん坊と甘やかし




「ねぇ、ムックー、ココア入れてよー」


今日はとてもとても寒い一日でした、お外から帰ってきたガチャピンはもこもこ温かそうな赤いムックに抱きついていました。

「はぁいっ、わかりましたー、ですから、ガチャピン少し離れて欲しいのですぞ」

狭いキッチンで二人が抱き合いながらコンロの前に立つのは少し窮屈なのです。

「やぁだぁー、寒いもん、だってとっても寒いもん、ムックあったかいもん!」

ガチャピンはムックから離れようとしませんでした。 

「ですからねー、うちキッチン狭いんですぞっ、狭いからこのまま二人でお団子になっていたら、カップが取れないじゃないですかぁ〜〜〜」

困り果てたムックはタックルしたまま離れようとしないガチャピンに向かってため息をつきました。

「ちょ、どういうことなの?ムック、ボクがいると邪魔ってことなの?冷たいなぁ、もう」

ムックの言葉に傷ついてしまったガチャピンは悲しそうな顔をしました。

「ごっ、ごめんなさい、ガチャピン!機嫌、直してください!ほら、ガチャピンの大好きなマシュマロも入れましょうね!」

ムックはガチャピンの悲しい瞳に弱いのです。

「えへーvありがとう、ムック!誰より、誰よりも大好きだよ!」


ちゅ。


「あっ、はわわわわわ!あの、あの、恥ずかしい…ですぞ、ガチャピン…」


ちゅ。


「えへー、ムックからチューしてもらっちゃった」


ちゅ。


こうして、熱いココアはため息をつきながら、冷めてしまいました。

だけど、二人のはぁとは、とっても温かかったのです。






おしまい





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