美尻シリーズ

モドル |

  カレと、センパイと、ボク。  




「あ、そうだヤマト。ちょっと頼まれてくれないかい?」


直々に依頼されたある非正規任務の報告に訪れた執務室で、綱手様から大型の封筒を渡された。
やや厚みのある封筒の右端には『至急』という赤いスタンプが押されている。
たまにこうして、綱手様からお使いのような頼み事を受ける場合がある。いつも傍に付いている女の人に頼み難い用件だと僕らみたく人間に回すらしい。この間は馬券を買いに行かされた、と後輩の暗部がぼやいてたっけ…。
「カカシに渡して欲しいんだ。件の資料だと言えばわかるから」
「先輩にですか。コレって急ぎのもの、なんですよね」
「…まあ、そういうことになるかねぇ」
途端に、綱手様は視線を明後日の方向へ向ける。それに訝しいものを覚えはしたけど、あまり深く突っ込むことはしない。
もし守秘義務が生じる内容であれば僕が聞く訳にもいかないだろうし、下手に中身を知って面倒に巻き込まれるのも御免だった。知らないなら知らないままでいた方が良いこともある、というのは僕が忍として生きてきた中で覚えた処世術のひとつだ。
それはまあ、さておくとして…先輩は今どこに居るんだろう?
もし里内に居るとしても、見つけ出せるかどうかは怪しかった。だって僕は里のことに全く明るくないんだ。
先輩の代理として呼び戻されるまで長く里を離れていたのと、過去里に居る間も事情があって殆ど外を出歩く機会がなかった所為だ。一体どこを探せばいいのか見当すらつかない。
余程困り果てた顔をしていたのだろう、ずっと僕の様子を眺めていた綱手様が助け舟を出すように口を開いた。
「カカシは今の時間なら…そうだな、待機所かもしくはアカデミーに居るんじゃないかねぇ」
「アカデミー…ですか?」
つい、訊き返してしまった。待機所ならわかるけど、どうして先輩がアカデミーなんかに?
そんな思いがまたしても顔に出ていたのか、綱手様は少し意外そうに瞳を瞬かせた。
その後、今度は打って変わって、まるで悪戯を企む子供のような表情でにんまりと笑ってみせたんだ。
「まあ、行けばわかる。頼んだよ、ヤマト」
そう言われてしまえば、行ってみるしかなさそうだ。
僕は綱手様に了承の意を告げて執務室を後にした。




一応、先に待機所を覗いてみたけど、先輩の姿はなかった。
ということは、やはりアカデミーの方に居るらしい。
でも先輩はアカデミーで何をしているんだろう。特別用事があるようにも思えないのに。
訝りながらも、僕はアカデミーに向かって足を進める。
その途中、受付所の入る建物とアカデミーとの間にある中庭のようなところで、先輩の姿を見付けた。
―――・・ただその時、声を掛けるのを躊躇ったのは先輩が誰かと一緒に居た、って理由だけじゃなかった。
だって相手と向かい合う先輩の顔に、今迄見たことのないような表情が浮かんでいたから。
額当てと口布の間から覗く先輩の目許は柔らかく撓み、また緩んでもいた。
それを目にした僕の脳裏には、先輩が柔らかく微笑む顔まではっきりと浮かんでいたほど。
畏怖の対象として、鬼神や死神とまで称される人があんな無防備な表情をしているなんて。
僕はちょっとだけ、見てはいけないものを目にした気分になった。
けれどその一方で、先輩があんな眼差しを向ける相手のことが気にもなっていた。
一体、一緒に居るのは誰なんだろう。
封筒を手にぶら提げたまま、呆然と目前の光景を眺めているところで、ふと先輩がこちらを見た。
しかもそこでばっちり視線が合ってしまう。…こうなればもう逃げることも誤魔化すことも出来そうにない。
僕は諦めて、先輩の居る方へ歩み寄った。
「こんにちは、先輩」
「…覗きなんて趣味が悪いんじゃない、テンゾウ?」
すっかりいつもの顔に戻った先輩は、僅かに険のある言い方で僕に向かってくる。それに僕は肩を竦めることで返す。
先輩相手なら、こういうのも慣れたものなんだ。
「そんなつもりはありませんよ。綱手様からコレを先輩に渡すようにって預かってきたんです。件の資料って言えばわかるからと」
そう告げれば、先輩から漂う雰囲気が明らかに変わった。
差し出した封筒は、半ば引っ手繰られるようにして僕の手から消えていた。早速封筒の中身を改める先輩は書類を一枚一枚神妙な面持ち―――しかしそれはにやにやと笑み崩れたいのを必死で堪えている風にも取れる―――で眺めている。
その表情といい、僅かに漏れ出す如何わしい、としか表現しようのない桃色ピンクなチャクラといい、傍で見ていてなんだか物悲しい心持ちになってくる。取り敢えず、先輩に憧れる大勢の後輩達には決して見せられない姿だ。
…僕も出来れば見たくはなかったけど、もう見てしまったんだから諦めるより仕方がない。多分、諦めは人より良い方だという自覚はある。
先輩が書類を確かめるのに夢中になっている間に、僕は気を取り直してその奥に控えていた相手に目を遣る。
相手は、中忍以上に与えられる支給服を身に纏う男だった。
黒髪を高い位置でひとつに括り、鼻には目立つ一文字の傷があり…とそこまで確かめたところでふと思う。
この男と、どこかで会ったことがあるような…。鼻の傷も、顔の形も、髪の様子もなんとなく覚えがあったんだ。
思わずまじまじと相手を見つめていれば、何故か向こうも同じように僕を見つめてくる。それも眉を寄せた、何かを考える顔付きで以て。どうやら向こうも僕に何かが引っ掛かっているらしい。
…でも、過去に会っていたとして、どこで会ったんだろう?
任務中、里の中、幼い頃からずっと居た施設…様々の場所を頭に巡らせていたところではた、と思い出す。


「「あっ!」」


声を上げたのはお互いほぼ同時だった。
「なあ、お前…テンゾウ、だろ?」
「うん! そういうキミこそ…イルカじゃない?」
「そうそう、イルカだよ! うわあ、久しぶりだなぁテンゾウ!!」
そう言って相手は破顔し、間に挟んだ先輩の前に回り込むと僕の近くへ寄って来る。
ずっと昔、僕が里の中枢にあった施設で半ば隔離されるように過ごしていた頃のこと。時々、遊び相手として施設に連れて来られたのが目の前の彼だった。
今にして思えば情操教育の一環だったのかもしれない。でも僕が独りで任務をこなす年頃になるまで、彼が唯一の友達で、また心の支えでもあったんだ。
その彼は今、僕の肩を叩きながら昔と何ら変わらない、砕けた口調で話し掛けてくる。
「元気だったか? 最後に会ったのっていつだっけ。全然音沙汰ないからどうしてるのかと思ってたぞ」
「まあ、いろいろあったんだ。でもイルカは元気そうだね」
「もう元気も元気! …ていうかお前、相変らずシケたケツしてんなぁ!!」
そう言われて、いきなり尻臀をがしっと鷲掴まれる。
こんなことをされれば普通ならぎょっとするところだろう。けれど僕達の間では、昔からコレは挨拶の代わりみたくものなんだ。
「あはは、イルカは全然変わらないよね!」
だから僕も再会を喜んで、昔のように彼の尻をぎゅっと掴んだ。
その直後、至近から感じる剣呑な気配。鋭く突き刺さるようなそれに気配の大元を見遣った僕はひ、と喉の奥で引き攣った声を上げていた。
それもその筈。だって書類に夢中だった先輩が大層恐ろしい形相でこちらを睨んでいたんだから。
ランクの高い任務や戦場で見せる、正に鬼神とか死神と呼ぶに相応しい気配と表情とを向けられれば、流石の僕でも縮み上がりそうになってしまう。
というか僕…何かしましたっけ?
「随分楽しそうじゃないの、お前」
戸惑う僕に向けて、先輩はすっかり低くなった声で続ける。
「オレを差し置いて馴れ馴れしい。…もしかして、この人の過去の男って、お前なの?」
…先輩が何を言っているのか、正直意味がわからなかった。
大体過去の男ってナニ?確かに一緒に遊びはしていたけど、それも子供の頃の話だっていうのに。
でも、先輩の顔がさっきから異様に恐い、というか恐過ぎる。
もしかして僕、このまま先輩の手に掛っちゃう、みたく可能性もあったりするの…?
「ちょっとカカシ先生、止めてくださいよ。テンゾウが恐がってるじゃないですか」
どこか逃避的に考えていた僕の耳に届いたのは、あくまで普通の調子で話し掛ける彼の声だった。
するとそれに、先輩が片方だけ覗く目をくわっと大きく見開いて彼を見た。
…ていうか、軽く瞳孔開いてるんじゃないか、アレ。
「だってアンタ、さっきから仲良さげにコイツをテンゾウ≠ニか呼び捨てしてるし! しかもケツを触りっことか…っ!! 絶対コイツが過去の男なんでしょ?! ねえ、そうなんでしょ!!!」
一方的に捲し立てると、彼の肩を掴んで力一杯揺さぶっている。先輩の顔は真剣そのもので、かなりの迫力にも満ちていた。
何かを勘違いしているらしいその誤解を解きたいとは思えど、あまりの剣幕に為す術もなく二人の様子を見守るしかない。
けれどその内、苛立ち始めたと思しき彼が先輩の頭に向けて拳を落とすのが目に入った。しかも結構容赦なく。
ゴツ、と鈍い音がしていたから相当痛かったに違いない。僕の目の前で先輩は頭を抱えて身体を二つに折っていた。
里内外において、二つ名で以て呼ばれる上忍を殴るなんて…!と恐々としたのは僕ばかりらしい。
彼はふん、と鼻を鳴らすと不機嫌そうに口を開く。
「まったく、さっきから聞いてれば過去の男って何のことですか。テンゾウはオレの幼馴染みなんです。子供の頃はよく一緒に遊んでいたんですよ。な、テンゾウ」
「そ、そうなんですっ! 昔はいつもイルカに引っ張り回されて、それこそ彼方此方連れていかれて…!!」
話を振られて、僕は必死になって答えていた。
彼が僕を連れ立って向かう先は実に様々だった。
近くの野原や施設の裏手にあった山なんかはまだ可愛い方で、数多のトラップが仕掛けられたアカデミーの演習場や立ち入り禁止とされていた火影様の私有地にまでその範囲は及んでいた。
どんなところでも相手が一度行くと決めれば決して意見を曲げなかったんだ。
それに仕方なく付き合って、二人して大変な目に遭ったことも、大人からこっ酷く叱られることも多かった。
彼は昔から恐いもの知らずだったらしく、どんな目に遭っても終わればすぐにケロっとしていたっけ。
「なんだよ嫌だったのかよ。冒険ごっこみたいで楽しかったろ?」
「でもアレは冒険ごっこで片付けられるレベルじゃなかったよ、イルカ! だって一回、二人して凄いのに追っかけられたことあったじゃない…!」
子供みたく唇を尖らせる相手に、力一杯反論しているところで。
「…テンゾウ、お前さぁ」
「はい?」
「オレの前でこの人を呼び捨てにするなんていい度胸だね。それ、オレに当てつけてるつもり? それとも自慢? いや寧ろ優越感ってヤツ?」
「えっ」
「オレでさえイルカ先生って呼んでるのに…。幼馴染みだからってちょっと馴れ馴れし過ぎるんじゃないの、ねえ」
凄味を増した声とますます鋭くなった眼光のまま、睨まれる。
というか、どうして呼び方ひとつでここまで睨まれなきゃいけないんだろう。
でもその眼光の前に晒され続けるのは正直耐えられなかった。
だってちっとも生きた心地がしないんだ。蛇に睨まれた蛙とは正しくこの状態を言うに違いない。
などと半ば逃避的に考える僕の傍らで、さっきから暢気そうな態を崩さない彼があっさりと言う。
「ああ、テンゾウは知らないんだよな。オレ、今カカシ先生と付き合ってるんだ」
「ええっ、そうだったの?!」
「もうっ、テンゾウだけじゃなくオレもカカシって呼んでくださいよう。恋・人・同・士! なのに他人行儀じゃないですかぁ」
恋人同士、という部分を強調しながら、先輩はいやに甘えた様子で相手の腕に縋り付く。さり気なく僕との間に身体を置いて距離を取ろうとしているらしい。
そんな独占欲剥き出しな先輩を気にした風もなく、彼はあくまでのらくらと返す。
「だって、ずっとカカシ先生って呼んでるから今更呼び捨てにするのって違和感があるんですもん。今迄通りで良いでしょう?」
…うわー、本当に付き合ってるんだ、この二人!
知れた事実に驚きが隠せない。先輩は昔から半端なくモテていたのに、特定の相手を作らないことで有名だったんだ。
それに、今のこの姿。
さっきの無防備な顔にも吃驚したけど、こんな子供みたくわかり易い態度を取る先輩も初めてだ。
恋ってヤツは人の性格まで変えてしまうものなんだろうか。
それとも…知らなかっただけでこれが先輩の素、だったりするのかな。
ただ、常に周囲から畏怖と畏敬の眼差しを向けられる先輩が恋人とはいえここまで一人の相手にいいようにあしらわれてるのがちょっと気になるけど…。コレも恋は盲目、ってことなんだろうか。
でも、こんな姿は後輩達に絶対見せられない。憧れの先輩、ってイメージが総崩れになっちゃうよね。
なんてぐるぐる考えているところで、改めて不機嫌そうな低い声が掛った。
「だからテンゾウ、お前もこの人に馴れ馴れしくするんじゃなーいよ?」
まるで威嚇するかの如き口振りを前に僕は慌てる。
悋気が過ぎるっていうか、彼との仲を変に勘違いされても困る!
「ちょ、待ってくださいよ! 別に僕とイルカは先輩が勘繰ってるようなことは何も…」
「お前、また呼び捨てたな?」
「あっ!」
しまったと慌てて口を噤んでみても、もう遅い。
先輩から駄々漏れってくらいに漂う剣呑な気配に、僕は背筋が凍り付くのを感じた。
そこそこ実力があるとされている僕だって、先輩と比べればその足元にも及ばない。
もしガチでぶつかりでもしたら…僕の行く末なんて火を見るよりも明らかだった。というか、絶対考えたくない。
「大体、イルカ先生のケツはオレのなんだから気安く触ったら殺すよ?それとお前も自分のケツに気安く触らせるような真似しても同罪。後は、オレの居ないところで馴れ馴れしくするのも許さない。…隠しても、そういうのはすーぐ、わかるからねぇ」
絶対零度の冷やかな笑みと共に先輩が一方的に言い切る。
最早内容は恫喝に近く、恐怖による支配もやぶさかじゃない、って感じだった。コレはどうすればいいんだろう。
僕にはもう、どうにも出来そうにないことは確かだけど。
半分泣きそうになりながら隣の彼を見遣れば、如何にも仕方ないな、と言わんばかりの様子で息を吐いている。
…頼むから先輩にビシっと言ってくれっ、僕の代わりに!
「何を言ってるんですか。そこにケツがあれば触るのは当然の道理でしょう。それと、オレのケツはオレのものです」
空気を読んでいるんだかいないんだか、全く頓着した素振りもみせずに堂々と彼は言う。
いや、でも今そんなことを言っている場合じゃないんだけど…!
僕が本気で泣きそうになっているところで、先輩が彼の言葉に噛み付く。
「ちょ、イルカ先生酷っ! オレ以外の余所のケツに目を向けるなんて…!! ていうか、オレのケツはアンタだけのものだと思ってるのにー!!!」
「今更何を言うかと思えば。昔から据え膳食わぬは男の恥って言うでしょう。そこに触れるケツがあれば触らないワケにはいかないんです、オレの場合。あ、勿論カカシ先生のケツはオレのものですからいつでも触りますけど」
…なんだか理屈がおかしい。第三者の僕でも思うそれは、先輩も同様だったらしい。
さっきとはうって変わって、今度は相手の顔色を窺うようにしながらおずおずと先輩が訊ねる。
「な、なら、余所のじゃなくてオレのケツだけで満足してくださいよ、恋人なんだし! それにオレのケツがイルカ先生のなら、先生のケツだってオレのものじゃないんですか…?」
この言葉に、しかし彼は大きく溜息を吐いて頭を振ってみせた。
それも、まるでわかってない、とでも言いたげな様子で以て。
「いいですか、アンタのケツはオレのもの、オレのケツはオレのもの、です。そんなの常識じゃないですか。それと余所のケツを触るのはオレのライフワークなので何を言われても止める気はありません。諦めてください」
きっぱりと言い切った彼の顔には、正論を説く時のように一切の迷いも躊躇いらしきものもなかった。
寧ろ、あまりに堂々としたその態度を前に、僕なんかは一瞬そういうものなのかとうっかり納得しそうになったくらいだ。
「いやでも! それはちょっとおかしいんじゃあ…!?」
「…何か文句ありますか?」
向けられる凄味のある笑顔は、僕でなくとも縮み上がりそうな迫力に満ちていた。
…昔はこんなヤツじゃなかったと思うのに、一体どこでこうなってしまったのか。
歳月の流れっていうのは随分残酷に出来ているらしい。それにしても先輩、相当立場弱いんだろうな…。
なんて他人事ながらしみじみと思っていたら、ちょっと黄昏れてる風の先輩に向けて彼が不意に柔らかく相好を崩してみせた。
「でもオレね、アンタのケツはちゃんと認めてるんですよ? そうじゃなきゃ今こうして一緒に居ないし、絶対人前でオレのもの、なんて言うワケありませんから。自信持ってくださいよ」
「い、いるかせんせ…ッ!」
彼の言葉を聞いて、先輩の表情が一気に輝きを増した。
そして感極まった様子で以て、手に持った封筒を取り落とすと彼にぎゅうっと抱き付く。


―――でも、ちょっと考えてみて欲しい。
ケツは認めてるって…それ以外の部分はどうなの?


思わず訊ねたくなったけど、彼に抱き付いたまま肩口にぐりぐりと頭を擦りつける先輩と、その先輩の尻を思いっきり撫で繰り回す彼を見ていたらもう何も言えなくなってしまった。
なんだか、それはそれで第三者の僕の目でも幸せそうな光景に見えたんだ。
愛の形は人それぞれだっていうし、ここで下手に口や手を出して馬に蹴られるのは勘弁願いたいところだった。
大体、お互いに納得しているなら、それで何の問題もないじゃないか。
「せんせいだいすきです…!」
「あー、ハイハイ。いやでもカカシ先生はいつ触ってもイイケツしてますよねぇ。流石です」
…全然噛み合ってないけど、それで上手くやってるならいいんだろう、多分。


二人共、どうぞお幸せに。


あくまで他人事のように思いつつ、僕はそっとその場を離れた。
…そういえば、あの封筒の中身って何だったんだろう。
まあいいか。関わっても碌なことにならなそうだから忘れよう。きっとそれが一番だ。




―――なんて考えていたのが甘かったことを僕が知るのは…また後々の話だったりする。





モドル |

-Powered by HTML DWARF-

inserted by FC2 system