誘う瞳

後篇




「失礼致します。ワインをお持ちしました」
カカシの部屋の灯りは殆どが落とされ、唯一ベッドサイドあるナイトテーブル上のランプのみが光を保つ。
薄暗い室内で、イルカがトレイに載せたグラスワインを手に近付いてくる。ナイトキャップとして眠る前に時折頼むこともあるが、今日に限っては別の目的がある。
日付を跨ぐ間際の時刻ともなれば他の使用人達は皆自室に引き篭もり、カカシの部屋を訪れることもない。ワインに託け、イルカと誰にも怪しまれずに二人きりになれる絶好の機会だった。
ベッドに寝そべるカカシは整えられた夜具に包まることはせず、枕に付けた片肘に頭を載せた格好でイルカと相対する。
身に纏うのは、合わせ部分を釦で留める形のシンプルな絹の寝間着。パジャマというよりはネグリジェに似た形のものだった。締め付けの少なさと肌ざわりの良さでカカシは昔から愛用している。その格好のまま、ナイトテーブルにトレイごとグラスワインを置くイルカに声を掛ける。
「ねえ、イルカ」
呼び掛けに、イルカは身体ごとベッドへと向き直った。
それを目にし、ゆっくりと身を起こしたカカシは腕を伸ばしてイルカの手首を掴む。ベッドに居るカカシからすれば、立っている相手から見下される格好となる。カカシを見つめるイルカの瞳は薄暗い室内とは比べ物にならぬほどに暗く、深い。カカシの取った行動にも僅かも動じた様子は見られない。
「何か、ございましたでしょうか」
「イルカって、ここの前はどこの屋敷にいたの?」
問い掛けに、部屋に漂う空気の質が変わったのをカカシは感じていた。
それでもイルカは表面上何も変わった様子を見せず、常の控えめな微笑みを浮かべて答える。
「それは、お教え出来ません」
「何故?」
「前にお仕えしていた屋敷のことを軽々しく口には出さない、それが執事として仕える者の決まりなのです」
「そう、じゃあ質問を変えよう。アンタはミズキを知っているよね?」
「・・・知っているかもしれませんし、知らないかもしれません」
「随分いい加減だぁね。でもオレ、ミズキから色々と話を聞いてるんだよ。アンタ、すごいらしいじゃない」
勿論、全部偽言だ。
ミズキから直接聞いた訳ではなく、アスマから聞きかじっただけの情報。
そうであっても今のイルカを揺さぶるのには使えるだろうと判断した。餌を撒き、獲物が罠に掛るのを待つ狩人の気分でカカシは相手を見つめる。
場に落ちた沈黙が、否応なく空気を張り詰めさせていく。
息を吐き出すことすら躊躇われる中、先に口を開いたのはイルカだった。
「もしそうだったとして、カカシ様はわたしをどうするおつもりですか?」
目前のイルカに動じた様子はない。ただ静かな面持ちでカカシを見つめるだけだ。感情の読みにくい、暗い瞳がまっすぐにこちらを射る。
―――まるで勝負を挑まれているようだ、とカカシは思った。
ここで引けば、全てが有耶無耶のままに終わってしまうだろう。
ならば、引く訳にはいかない。
カカシは唇の端を持ち上げ、出来得る限り無邪気に見える笑みを顔に浮かべてみせながら、イルカに告げる。
「別にどうもしないよ。でも、そうだな・・・そのすごいところをオレにも少しくらい見せたっていいんじゃないのかなぁ?」
アスマの話を聞いた時からずっと気になっていたのだ。女癖の悪いミズキをのめり込ませたという、手練手管に。
否、実際はそれ以前から意識していた。
イルカから漂う甘い香。控えめな微笑みの下に隠れる底知れぬ何か。
髪に触れられた時に感じた隠しきれない色を滲ませる仕草。
そして、誘うように眇められた瞳。
全てがカカシを惹きつけて止まないのである。
「それは、ご命令ですか」
「どう取ってくれてもいいよ。ただ、オレがどういう立場の人間か、よく考えた上で答えを頂戴」
自身の身分を持ち出すような言動は、普段のカカシが好むところではない。それでも今、カカシの目前で明らかに表情を変えたイルカに、深い愉悦を覚えるのも確かだった。いつも平らかで付け入る隙を見せないイルカを追い詰めている、ということが堪らなく愉快でならない。
そんなカカシの前で、イルカは細く息を吐いてみせた。
「・・・わかりました。但し、ひとつだけ条件があります」
「条件?」
「はい。今からわたしのすることにカカシ様が一切手を出さない、ということです。それを守っていただけるのでしたら」
おかしな条件だと思った。女相手ならばいつも一から十までカカシが主になって動き、与える立場になる。けれどカカシから手を出さないというなら、イルカがその役割を皆引き受ける、ということになる。
珍しくはあるが面白い趣向には違いない。どれほどの自信があるのか知らないが、乗ってみるのも悪くはないだろう。
「大した自信だね。せいぜい、楽しませてよ」
余裕ぶって答えれば、イルカはゆるりと微笑む。
それは常の控えめなものでなく、確かな色を含んでいた。
カカシが掴んでいた手首を解放すると、イルカは纏っていたスーツの上着を脱いでテーブルに置いた。次いで靴を脱ぎ、ベッドへと上がってくる。
二人分の重みを受けて、ベッドのスプリングが鈍く軋んで沈み込む。
距離が詰まった所為か甘やかな香をより強く鼻に感じた。
同じ高さになった眼差しはますます深く、力を帯びてまっすぐカカシを射る。くらり、と僅かに眩暈にも似たものを覚えたところで肩を押され、身体はベッドに仰向けの恰好で転がっていた。
「失礼致します」
日頃耳に馴染んだ言葉ですら、この状況下では奇妙に艶めかしい。
そんな明後日のことを考えるカカシの上にイルカは跨り、寝間着の釦に手を掛ける。ふつ、ふつ、と微かな音を立てて釦は外れ、布を繋ぎとめていた合わせ目が少しずつ開いていく。
全部の釦が外れると、イルカは寝間着の前の部分を大きくはだけさせた。
完成された美しい彫像を思わせる、傷ひとつない白く滑らかな肌と均等のとれた裸身がイルカの前で露わになる。
首から胸元、引き締まった腹筋に続く下腹。そして下着の身につけられた下肢までをイルカの目が舐めるように辿っていく。
まるで追い詰めた獲物に向けて鋭い牙を剥く獰猛な獣の様が重なり、カカシはぞくりと肌が粟立つのを感じた。つられて鼓動が速まる。全身を巡る血の流れに、身体が勝手に熱を帯びる。下着に隠された部分でさえも形を成し始めるほど、顕著な反応が現れる。
カカシの様子に、イルカはどこか愉悦に満ちた様子で目を細めてみせた。しかしながら萌したものに直接触れることはしなかった。
代わりにカカシの身体の線をなぞるように両の手を滑らせていく。
形の良い耳朶、すっきりとした顔のラインとそれを支える首筋、逞しい肩から続く程良く筋肉のついた胸に、無駄な脂肪の一切ない脇腹。
明確な意思を持ってイルカの指が、手のひらが動く。ただ触れられているだけだというのに、肌にねっとりと吸いついてくる感覚すらある。
刺激と呼ぶにはやや弱い、緩やかな愛撫を受けながらカカシの息は自然と上がっていった。それでも無様な声を漏らすことのないよう、必死に息を詰める。
但しイルカの手が下腹をゆるりと撫ぜた時、堪え切れずにカカシは「うぁっ」と上擦った声を上げていた。
己のものとは思えないような声に羞恥のあまり反射的に瞼を閉じる。
すると閉じられた瞼の上から生暖かい吐息がかけられ、次いでやわらかく湿ったものが薄い膚に触れた。閉じられた瞼の下に収まる眼球の膨らみを辿るよう動かされるのに驚いて目を開けば、輪郭がぼやけるほど間近にイルカの顔があった。濡れたように光る唇からは、紅い舌が覗いている。
「あ、」と小さくカカシが漏らした声には答えず、相手の瞳に顔が映り込むのを確かめて満足したように目を眇めたイルカは、自らの唇を舌先でなぞる。
濡れた唇が更になまめかしい艶を帯びていく。
そうして艶めいた唇が、カカシの身体に落ちてくる。
しっとりと潤う肉厚の唇がそっと触れては離れ、を繰り返しながらカカシの身を擽る。しかし時折、思い付いたように強く吸い付き、白い肌の上に鬱血の痕を残した。首筋、腕の付け根、胸元、下腹、また内腿の際どい部分に至るまで点々と紅い花弁が散っていく。
その間にも、カカシの萌したものははっきりと下着を押し上げるまでになっていた。無理に押さえつけられる形になっていても布の下でどくどくと力強く脈打ち、存在を主張している。そこに薄らと染みが浮かんでいるのも見て取れるのに、イルカは僅かも触れようとしない。
あまりのもどかしさに堪え切れず、下着へと伸びたカカシの手は上から押さえ付けられていた。
「お約束、しましたよね?」
やんわりと、それでいてしっかりカカシのルール違反を詰る。
思わず恨みがましい目で見上げれば、手を押さえたままイルカは小さく笑声を零した。
「・・・仕様のない方ですねぇ」
自らの身体を下へとずらし、未だ身につけられたままのカカシの下着へと手を伸ばしてくる。下着を引き下ろせば、ぶるんと音がしそうな勢いで屹立したものが飛び出してきた。
それを、上体を曲げたイルカが何の躊躇いもなく口の中へと迎え入れる。温く湿った口腔内に納められ、感じ処にぬらりと舌を這わされる。直接的な刺激を受けてカカシの張りつめていたものは呆気なく弾けた。抵抗する術もなかった。
籠った熱を解放し、弛緩した身体を無防備にベッドに投げ出していれば、不意にイルカが局部から顔を離した。
僅かに俯いた格好のまま、そっと開かれた唇の隙間からは紅い舌が覗く。先程カカシが吐き出した白く濁る体液がとろとろと糸を引くように舌の上を伝い、落ちていく。
まるで見せつける態で体液を手のひらに受けていたイルカはある時、カカシを見た。俯く格好であるからか、その姿は上目遣いに相手の有り様を窺うようでもある。てらてらと濡れ光る紅い舌と、舌から伝い手のひらに広がっていく白濁した粘液、カカシを射抜かんとばかりにひたりと据えられたふたつの瞳は爛々とした輝きを放っている。
刹那、カカシの背には痺れとも震えともつかぬものが走り、身体の中心で萎びていたものはわかり易く失った力を取り戻していた。変容の様子は相手の目にも明らかだったようで、くすりと笑みを零される。
もの慣れていない初心な餓鬼のようだ。激しい羞恥に唇を噛み締めるカカシを、イルカはうっそりと目を細めて眺めている。
満足気にカカシの身体から一度退いたイルカは、汚れていない手で自らのスラックスと下着とを器用に取り去る。そして上に着たベストとワイシャツ、締められたネクタイと足元の靴下を残したまま再びカカシの上に跨った。
イルカの下肢、身体の中心に在るものが力強く膨らんでいるのを、カカシの目は捉える。
―――イルカも確かに欲情している。
この事実に、酷く滑稽な状況だと思ってはいても自然と喉が鳴る。
カカシの身体の横に、イルカがそっと片手を付いた。そのまま尻を突き出す姿勢をとると、先程粘液を受けていた手指を双丘の間へ回す。
するとすぐにイルカの口からは噛み殺したような吐息が漏れ始めた。
合わせるようにくちくちと濡れた音が耳に届いて、カカシは漸く相手が何をしているのかを悟る。
イルカは解しているのだ。カカシを受け入れる場所を、自らの手で。
「ん・・ふぅ・・・っ」
薄く開かれた唇の間から漏れる、熱く湿った吐息の合間にどこか感じ入った声が混じる。
下から見上げる格好のイルカは眉間に皺を寄せながらも、明らかな情欲の籠る眼差しで以てカカシを見つめている。全身が心臓になったかのように己の心音が煩いというのに、イルカの吐息と、時間を経るにつれ更に淫靡に響く濡れ湿った音だけは鮮明に耳へと届いていた。
視覚と聴覚の両方から執拗に犯されているようだ、とカカシは思う。
知らず、息が上がる。きつく張りつめた自らの屹立は、再びとろとろと粘液を零し始めている。これ以上我慢を強いられれば本当におかしくなってしまいそうだった。
情けなくも限界だと訴えようとしたところでイルカはぎゅっと瞼を閉じ、「ん」と鼻に掛ったような声を漏らした。次いで荒い息を吐きながら蠱惑的に唇を持ち上げてみせる。先程まで双丘の間に埋まっていただろう濡れた指がカカシの屹立の括れに触れ、指の腹が先端の窪みをゆるゆると撫ぜる。
「う、あ・・・っ!」
下に敷いていた夜具を掴み、大きく背を撓らせたカカシは引き攣れた悲鳴を上げていた。直接的な刺激に、眦に生理的な涙が滲む。しかし涙で霞んだ視界の中でも、イルカは相変わらず熱を帯びた、はっきりと欲の籠る眼差しで以てカカシを眺めている。
「・・・お待たせ致しました」
何のことだろうか。告げられた言葉に眉を顰めるカカシの目前で、イルカは腰を浮かせると育ち切った屹立に手を添えた。もう一方の手は双丘の間で慎ましく閉じていた窪みを押し広げている。
それが何を齎すのか、カカシが完全には理解出来ていない中で、イルカが押し広げた窪みに屹立したものの先端を宛がった。そのまま体重を乗せ、自ら内へと飲み込むように腰を落としていく。
狭くてきつい、本来ならば排出する為に使われる器官は、異物の侵入を拒絶するかの如く蠕動を繰り返している。ねっとりと絡みつくような強い刺激に今にも達しそうになっている屹立の根元に指が絡み、生理的な衝動を抑圧する。
「すこし、堪えて、ください、ね」
切れ切れに告げるイルカは、熱っぽく熟れた息を漏らしながら腰を小刻みに揺らして全てを飲み込もうとする。
燻った熱を解放出来ないもどかしさと絶え間なく与えられる刺激に、カカシは低く呻いて布団をきつく掴む。それでも足りずにベッドの上に爪先を突っ張り、背を仰け反らせて喉元を無防備に相手の前へと晒していた。
そして漸く全てがイルカの内に飲み込まれた時、カカシの息は最早絶え絶えであった。ぐったりと、どこか虚ろに霞んだ頭のままに見上げたイルカの顔は、カカシとは対照的に艶やかな笑みが浮かんでいる。
「・・・それでは」
短く告げると、イルカは根元を押さえていた手を離し、腰を大胆に動かし始めた。屹立を最奥まで迎え入れるかのように深く、また抜け落ちる寸前まで浅くという動作を繰り返した後、今度は腰を前後に揺らしてみせる。
搾り取るような動きに、カカシは抗えずイルカの中で吐精していた。
我慢を強いられていた所為か吐き出す感覚は長く続き、収まった頃にはカカシの身体から完全に力が抜けていた。
荒く乱れた息を吐くカカシを、しかし相手は未だ熱を帯びた瞳で見下している。腹につかんばかりに反返ったイルカの屹立は未だ先走りのものでしっとりと濡れ光っていたのだ。
カカシの萎えたものを内に収めたまま、イルカはゆっくりと上体を折った。不意に締められた襞に、力を失った筈のものが俄かに力を戻すのが伝わったのか、カカシの顔を覗き込むイルカの表情が妖艶なものへと変わる。それはぞっとするほど美しくも、恐ろしいほど残酷なものにも見えた。
そうしてからイルカはカカシの耳に唇を寄せてくる。やわらかな耳朶に軽く歯を立てたかと思えば、耳孔に舌を差し入れられる。胸へと伸ばされた指は硬く尖った突起を無遠慮に押し潰し、円でも描くように捏ね上げてくる。
身の内に生じるむず痒くももどかしい感覚に、いつしかイルカの内に収まっていたものは完全に力を取り戻していた。
「・・・今度は、わたしが気を遣るまでがんばってください、ね?」
耳元で囁くように告げた後、イルカが再び腰を動かし始めた。
吐き出されたもので先程より滑らかに動く屹立が、イルカの襞を縦横無尽に掻き回している。しかし、それは全てイルカの意志によるものだった。
カカシは息を荒くしながら、まるで犯されているようだと思った。イルカに屹立したものを挿しているのに、その思いは消えない。
不意に、肉食の獣に捕らわれ、嬲られる哀れな獲物の姿が脳裏を過る。
きっとミズキも同様の目に遭ったに違いない。イルカにとってはミズキもカカシも藪を突いて蛇を出した愚か者の認識であるのだろう。
まいった、とカカシは心の中で呟く。
こんな恐ろしい相手に安易に手を出すべきではなかったのだ、と。
それでもカカシは流される。イルカから与えられる、獰猛でいて極上の快楽に酔い痴れて。
カカシの上で腰を振っていたイルカはある時、動作を止めて「ああ」と短く呻いた。次いでカカシの腹上には熱い飛沫が散り、同時に急激に引き絞られた襞の中へ再び精を吐き出す。
しかしその感覚を味わう間もなく、カカシは意識を彼方へと飛ばしていた。





カーテンが開かれた窓から洪水のように清廉な朝の光が差し込んでいる。それは先程まで其処彼処に残っていた夜の気配をきれいに消し去り、部屋の隅々にまで満ちて行き渡る。光の中心に佇む人物は、部屋にある窓という窓を覆うカーテンをひとつずつ開いていく。
ますます明るさを増す室内で、ベッドに横になっていたカカシは目を眇める。重怠い身体の存在を感じながら、半分は眠ったままの意識で光を避けるように夜具の奥へ潜り込もうとしたところで。
「カカシ様、おはようございます」
その声に、カカシの意識は一気に覚醒する。
夜具を跳ね除ける勢いで起き上がれば、ベッドサイドにはイルカが立っていた。黒のスーツをきっちりと隙なく着こなした相手は、いつもと変わらぬ慎ましやかな微笑みを浮かべて告げる。
「モーニングティーをお持ちしました」
ナイトテーブルに置かれたティーセットを手で示すその顔に、昨晩見せた色めいた様子はない。それどころか清廉な光の中ではカカシに残る記憶自体が有り得ないもののように思われた。
もしかして、あれは全て夢だったのだろうか。
そこまで思い始めたカカシが、外れている寝間着の釦に気付く。何気なく目を遣ったところで、ぎくりと身体を強張らせて固まった。
カカシの白い肌の上に散る、いくつもの紅い痕。
それは正しく、昨晩イルカに付けられたもの、であったのだ。
「一杯、いかがですか」
イルカはそう言うと、紅茶の入ったカップとソーサーをカカシに差し出す。
湯気の立つ紅茶をおずおずと受け取って、カカシは相手を見上げる。
窓から差し込む清廉な光の中、明らかにうっそりとした微笑みを浮かべるイルカの顔を前にして、カカシは眩暈にも似たものを覚えずにはいられないのだった。







-Powered by HTML DWARF-

inserted by FC2 system