GM SSS




どれだけ長く、どれだけ傍に居てもやっぱりわからないことだらけで。
何でも知っているようで、何にも知らないことだって多いのです。
どれだけ平気そうに振舞ってみせたって、皆に笑顔を見せていたって。
実際は、落ち込んでいることぐらいわたくしにもわかる。
長い付き合いとはそういうものなのでしょう。
けれど。
どうして、ガチャピンが落ち込んでいるのか、とか。
どうしたら、本当の笑顔に戻ってくれるのか、とか。
その為にわたくしに何が出来るのか、とか。
考え始めると、途端にどうすればいいのかわからなくなってしまう。
そんな自分がちょっぴり嫌になって、悲しくなることもあるけれど。

「・・・なに、ムック?」
「あの、なんだかさみしくなったので、傍にいさせて欲しくて」

おずおずと告げれば、ガチャピンは驚いた顔をした後でそっと表情を緩めました。

「もう、仕方ないなぁ、ムックは」

今にも泣き出しそうな顔に、浮かんだ笑みは少しだけ安堵したもののようにも見えました。



辛いことも、苦しいことも、悲しいことも。
誰かが代わってあげることは出来ません。
その痛みを、本当の意味で分かち合うことだって、そう。
でもひとりでなかったらきっと、救われることもあると思うのです。
わたくしが傍に居て、それでガチャピンが少しでも救われるなら。
わたくしはガチャピンの傍にいつでも駆けつけたいと思うのです。
その為ならきっと、わたくしは何だって出来る。




・・・なんて、本人には恥ずかしくて絶対に言えませんけれど、ね。




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